スポーツ・インテグリティをどう高めるか【季論21 48増大号、2018年】

 フェアプレイ精神は、指導者にもアスリートにも大事である。
サッカーにおいて相手選手のユニフォームを引っ張り、動きを妨げることは、「ルール」(JFA競技規則第12条)では、「相手競技者を押さえる」行為としてファウルとされ、制裁の対象となっている。
しかし、世界のトップチームの試合でも、相手の選手のユニフォームを引っ張る、押さえつけるということはしばしば見られる。ルール上はファウルだが、そのすべてを審判がファウルとして制裁を科しているわけではない。
そうすると、審判の見えないところでユニフォームを引っ張るのは有効な戦術だという考えもでてくる。審判に見えないようにルール違反をすることが競技上の有効な技術になってしまう。
このような誤った考えを広げないためには、倫理、インテグリティー(誠実さ、真摯さ)を強調するだけでは足りない。ルール違反に対する適切な制裁が必要だ。厳格なレフェリング、運営をするということが大事である。