詳解スポーツ基本法【日本スポーツ法学会編、成文堂、2011年】

 日本スポーツ法学会は、1997年、スポーツ権を明示したスポーツ基本法が必要であると提言するスポーツ基本法要綱案を発表しました。
2009年に自民党・公明党から「スポーツ基本法案」が国会に提出されましたが、衆議院解散により審議未了・廃案となりました。日本スポーツ法学会はスポーツ基本法PTを立ち上げ、シンポジウムを開催し、スポーツ権の確立を求める学会アピールを採択・発表する等、個々の条文を検討し、市民の視点からの基本法とするための多くの提言を行いました。
スポーツ基本法は、2011年6月24日成立し8月24日には施行されました。
成立直前の6月19日、日本スポーツ法学会の臨時理事会が開催されました。ここでは、スポーツ基本法の成立は、日本のあらたなスポーツのスタートに過ぎないこと、スポーツ基本法に基づき名実ともにスポーツ権を確立し、日本のスポーツを強くするための課題を明示し、指針を示すことが必要であるということで一致しました。菅原哲朗理事は、日本スポーツ法学会としてスポーツ基本法の解説書を世に送り出すことを提案し、理事会は編集委員会を設置しました。
6月28日には株式会社成文堂が出版に全面的に協力を表明しました。2度の編集委員会で全体の構成を決め、7月24日宮城県仙台大学で開催された理事会において、執筆分担を含めた出版計画を決定しました。執筆者は、日本スポーツ法学会員40名、8~11月に6回の編集委員会を開催し、12月20日に出版の運びとなりました。発案から発刊まで6か月という強行日程だったが予定どおりの出版となりました。
編集委員会を代表して、執筆者の方々に、また、出版を支えてくれた成文堂と担当者の篠﨑雄彦氏に心から御礼申し上げるとともに、本書が今後の日本のスポーツの課題を明示し、指針を示すという目的に貢献できることを願っています。