意外と知らない自転車のルールと安全対策【Sports japan2013年5-6月号】

 日本スポーツ協会の機関誌「Sports japan」の「スポーツ法律入門」のコーナーの解説です。
 「意外と知らない自転車のルールと安全対策について」とのテーマでの解説です。
 練習場や試合会場へ移動するための交通手段として、自動車や自転車、電車やバス等の公共機関を利用する等の方法がありますが、その中で事故が多いのが自転車です。とくに小・中・高校生の事故が目立ちます。移動手段としてではなく、スポーツとして自転車に乗る場合の事故にも注意が必要です。サイクリングロードを高速走行し、一般の自転車に接触する事故等が起こっています。
 自転車が被害者となるケースだけでなく、加害者となるケースもあります。交通ルールを守らずに自転車で走行し、歩行者に接触して転倒させる等のケースです。坂道でペットボトルを片手に運転していて自転車を制御できず、横断中の女性と衝突、女性が3日後に脳挫傷等で死亡した事故の裁判では、6700万円以上の賠償金を命じられています。
 統計的に見ると、自転車が関連する交通事故は、全事故の約2割を占めています。そのうちの8割以上が自動車との事故です。また、自転車運転中による死傷者数は、交通事故全体の死傷者数のうち約16%と高い数字を示しています。
 事故を予防するためにはルールを守ることが大切ですが、自転車の運転者はルールを学ぶという点で十分な環境が整備されていません。またルール知っていても守らない人も多くいます。「自転車だからこれくらいは大丈夫だろう」と危険を軽視して、ルールを守らないことが自転車での事故の特徴の一つとなっています。
 加害者にも被害者にもならないためには、ルールを守って運転しなければなりませんし、万一の事故に備えて、保険に入っておく必要があります。