パーソン・センタード・ケアでひらく認知症看護の扉【南江堂、2018年】

 認知症の病態を理解し、全人的で専門性の高い看護を実践したい看護師・看護管理者に向けた指南書。これからの認知症看護に欠かせない“パーソン・センタード・ケア”の概念を基盤に全体を構成。認知症の人の視点に立ち、認知症と共に生きる人を理解したうえで、具体的なケアの方法論と展開法を解説した書籍です。
 「認知症の人をめぐる法律的課題」として次の解説を担当しています。
1 認知症の人が社会から疎外されないために周囲の人が認知症を正しく理解する必要がある。
2 認知症の人に対する適切な医療・介護体制を整えて、本人の意思に沿った医療介護を進める必要がある。特に身体拘束については適切な運用が求められる。
3 認知症の人が被害を受けることがないように、①成年後見制度などの充実、②行方不明、転倒事故などの予防、③介護過程における虐待防止、④財産管理の援助が必要である。
4 認知症の人が、自動車の運転、線路内への立ち入りなどで事故の原因とならないように配慮することが必要である。
5 認知症の人の介護者に過剰な負担と責任を負わせることがないような法制度の整備が求められる。