ドーピング規制の現状と課題【アジアスポーツ法学会、韓国ソウル、2005年】

 アジアスポーツ法学会第2回大会(ソウル)における「ドーピング規制の現状と課題」の報告です。
日本では、1972年札幌冬季オリンピックから、オリンピックをはじめとする国際大会においてドーピング検査を実施し、ドーピングを規制してきました。
ドーピング規制をめぐっては、様々な問題が生じていますが、これまで法的視点からの検討は十分ではありません。そこで、具体的に生起した事件を通じて次の問題点を検討します。
1. ドーピング規制の目的と何を規制するのか→ドーピング規制の目的-何を規制するのか
2. ドーピング規制の組織体制と予算→
3. 侵襲ある検査方法(血液検査)をめぐる問題
4. 禁止物質の範囲についての規定をめぐる問題
5. ドーピング違反判定基準をめぐる問題
5.1. 無過失責任主義の原則
5.2. 人工的投与の判断基準→人工的投与の判断方法、判断基準
5.3. 医療行為としての薬物使用の適正化
6. 検査手続をめぐる問題
6.1. 厳格かつ不正を防ぐ検査手続
6.2. 抜き打ち検査における検査手続
7. 制裁措置をめぐる問題
7.1. 処分(不服申立)手続の透明性→処分(不服申立)手続の明確性、統一性、公正な運用
7.2. 違反の内容と制裁措置との均衡
7.3. 処分(不服申立)手続期間中の出場資格
7.4. 団体競技におけるドーピングに対する制裁をめぐる問題
7.5. 当該国競技団体自体及び当該国競技団体選手全体への制裁
8. 過去のドーピングに対する対応