それぞれの環境にあった保険を考え、新規加入や継続の手続を忘れずに【Sports japan 2013年3-4月号】

 日本スポーツ協会の機関誌「Sports japan」の「スポーツ法律入門」のコーナーの解説です。
 「それぞれの環境にあった保険を考え、新規加入や継続の手続きを忘れずに!」とのテーマでの解説です。
 スポーツをするうえでなぜ保険が必要かといえば、スポーツにはどれほど注意しても一定のリスクがあるからです。起こる事故が擦り傷程度ならいいのですが、時には大きい事故が起こる可能性があり、とくにコンタクトスポーツや格闘技系は重度の事故への配慮が必要です。
 思いがけないところでは、自転車での練習場所への移動中に歩行者と接触し、歩行者が転倒して重傷を負うケースもあります。治療費だけで数百万円になる場合もあります。無保険で自転車に乗ることのリスクを知っておくことが必要です。こうしたリスクによって生ずるトラブルの大きさと、実際にかかる保険料を比べれば、保険の必要性が理解できるでしょう。
 スポーツに関する保険には、大きく分けて「傷害保険」と「賠償保険」の2つがあります。傷害保険は、起こった事故に対し責任が誰にあるかにかかわらずケガをし死亡した人に保険金が支払われる保険です。一方、賠償保険とは、自分に責任がある場合に被害者への賠償責任がある場合に保険金が支払われる保険です。
 現在、日本体育協会が推奨している保険は、「スポーツ安全保険」、「公認スポーツ指導者総合保険」「イベント主催者施設賠償責任保険」の3つがあります。また日本体育施設協会が作成している「スポーツファシリティーズ保険」という保険もあります。保険の概要を説明しています。
 多くの保険は4~6月が年度変わりのため、3~5月は切り替えの時期になります。選手、指導者を問わずスポーツに携わるうえで必須のものですので、新規加入や継続の手続きを忘れないようにしてください。
 最後に、保険をかけてあるからといって事故を起こしてもいいというわけではありません。保険とはあくまで思わぬ事故が起こった場合に備えて加入するものですから、まずは事故を起こさないよう、細心の注意を払って活動することがもっとも大切です。