法律家からみた転倒事故の責任と予防対策への提言【Modern Physician34巻10号】

 内科系総合雑誌Modern Physicianの2014年10月号は、「転倒予防―これまでとこれから―」が特集です。私は、「法律家からみた転倒事故の責任と予防対策への提言」を担当しました。
統計と判例から見た転倒事故の現状を紹介し、判例上示されている転倒事故予防のポイントを解説し、紛争を回避するためのポイントを示しました。
転倒事故に限りませんが、医療をめぐる紛争においては、患者やその家族から医療機関が最善を尽くしてくれなかったのではないかという思いがあります。そこで紛争を回避するために大切なのが事実関係を医療機関側と患者側とが共に正確に認識しあうことです。事前の対応としては、転倒リスクについて共有することが大切です。事故後の対応としては、①情報の開示、②事故原因の分析、③再発防止策を示すことが重要です。真実を知ることで遺族が癒やされる効果は大きいです。医療機関側に責任がある事案であれば早期の謝罪が、責任がない事案であっても、医療従事者として、患者と家族の痛み・苦しみに対する理解と共感は、紛争を予防する上で不可欠です。