「治療」2001年8月号は、「日常診療の場で知っておくべき法律の知識」の特集号でした。私は、「医療事故紛争を生じ深刻化させる要因-患者、家族の立場から」を担当しています。
医療事故と医療事故訴訟の現状を紹介し、医療事故紛争を回避するためには、事故予防対策が重要ですが、同時に生起した医療事故が深刻化することを防ぐ対応が必要です。患者や家族が提訴するのは、補償だけが目的ではありません。患者と家族は、第1に、事実と原因を知り、第2に責任がある場合には誠実な謝罪を、第3に再発防止策の立案実施を求めています。患者の気持ちを理解し、公正な事故調査と迅速な補償が紛争の深刻化を防ぐ解決に必要であることを解説しています。