高年齢労働者のための転倒・転落事故防止マニュアル【日本転倒予防学会監修、新興医学出版社、2023年】

  「高年齢労働者のための転倒・転落事故防止マニュアル」【日本転倒予防学会監修、新興医学出版社、2023年】

 転倒予防で重視すべき分野の一つが労働現場です。労働安全衛生法(1972年)は、労働現場における転倒予防については第29条の2で、墜落予防は同法第21条第2項で定め、労働安全衛生規則は、高所作業等転倒・転落事故が生じやすい場面ごとに、防止措置を定めています。労働安全場面で、転倒・転落事故を防止することはかねての重要な課題の一つです。
 日本は、転倒・転落事故リスクが高い高年齢者の就労が次第に増加し、労働安全衛生法制定時と比べますと、高年齢労働者の転倒・転落事故予防は、労働現場での解決すべきより重要な課題となっています。
 このような状況を踏まえて、「高年齢労働者のための転倒・転落事故防止マニュアル」が刊行されました。労働災害について、関係する多くの医師、研究者、労働行政官、社会保険労務士、弁護士、理学療法士らによる高年齢労働者の転倒・転落事故予防のマニュアルです。
 私は、「判例からみた労災としての転倒・転落事故の原因と対策」を執筆しました。