競技者間事故の判例分析と補償の在り方法的責任と予防_競技者間事故の判例分析と補償の在り方【日本スポーツ法学会事故判例研究専門委員会編集、道和書院、2022年】


日本スポーツ法学会事故判例研究専門委員会が編集した「競技者間事故の判例分析と補償の在り方法的責任と予防_競技者間事故の判例分析と補償の在り方」【道和書院、2022年】です。

関東医歯薬大学リーグ戦で対戦校の選手から危険なタックルを受けて引き倒され、頭から地面に激突し、頸髄損傷による重度の後遺障害を負った事故について、タックルをした選手の過失を認め約9700万円の損害賠償を命じた判決、東京都社会人サッカー4部リーグの試合で選手同士の接触で下腿の脛骨・腓骨骨折を負わせた選手の過失を認め約240万円の損害賠償を命じた判決、バドミントンのダブルス競技中に、シャトルを打とうとした後衛の選手のラケットがペアの前衛選手の目にあたり負傷した事故について、後衛の選手の過失を認め、約1300万円の損害賠償を命じた判決等において、競技中の競技者の行為が民法上の不法行為として損害賠償請求を認められたことを契機に、スポーツ団体関係者のスポーツ活動中の事故における競技者の責任について関心が高まっています。
スポーツは自主的・自発的な活動という特徴を有するため、競技団体関係者は、しばしば、スポーツ活動中の競技者のプレイに起因する事故については、競技団体の定めた競技規則の範囲内で解決されるべきであり、裁判所が関与する問題ではないと主張します。このような主張に対して、競技団体が定めている競技規則あるいはスポーツに固有な不成文のルールが責任判断に対して果たすべき機能と法の関係について検討した書籍です。 日本スポーツ法学会事故判例研究専門委員会が編集した書籍であり、私は、棚村政行早稲田大学教授、入澤充国士舘大学大学教授と共に編集代表をし、総論=「スポーツ事故予防における競技規則の機能と限界」を執筆しています。